ソーシャルレンディングにおける分散投資の効果

ソーシャルレンディングにおいて分散投資が大事だとよく言われます。

ですがこの分散、どの程度すればよいのでしょうか?

それにどれほど効果があるのでしょう?

今回はソーシャルレンディングにおける分散投資の意味と効果について考えていきます。


1.投資が成功する確率

話を進める上で前提条件を次のように設定します。

・運転資金が100万円ある

・年率5%の案件に投資

・案件デフォルト率は1%

・デフォルトした際の回収金額は元金の50%

 

【ケース① 案件1件に100万円を投資】

この時、99%の確率で投資は成功し、その時手元に残るのは105万円です。

しかし、1%の確率で投資は失敗し、その時は50万円が手元に残ります。

今回はデフォルトしても50%戻る前提で話を進めますが、

実際には全額毀損の場合も十分考えられるので

得られる利益の割には分の悪い掛けだと個人的には思います。

 

【ケース② 案件10件に10万円ずつ計100万円投資】

1件当たりで考えると、99%の確率で投資は成功し、

その時手元に残るのは10.5万円です。

しかし、1%の確率で投資は失敗し、その時は5万円が手元に残ります。

そして、この施行を10回繰り返すことになりますね?

ここで登場するのが次の数式です。


nCxpx(1-p)(n-x)


 n:試行回数(投資案件数)

 C:コンビネーション(組み合わせ)

 x:投資成功する回数

 p:投資成功する確率

 (1-p):投資失敗する確率


この式はn回の施行(投資)のうち、x回成功する確率を示します。

今回の場合、全案件成功する場合から全案件失敗する場合まで

次の11通りのケースが考えられます。

 

11通りのケース
成功 失敗 損益(万円) 確率(%)
10 0 5 90.4
9 1 -0.5 9.1
8 2 -6 0.4
7 3 -11.15 0.01
6 4 -17 0.000001
5 5 割愛 ほぼ0
4 6 割愛 ほぼ0
3 7 割愛 ほぼ0
2 8 割愛 ほぼ0
1 9 割愛 ほぼ0
0 10 割愛 ほぼ0


めんどくさいので成功5回以下の確率はほぼ0としました。損益も割愛します。
見方ですが、90%の確率で5万円の利益が得られますので、手元に残るのは105万円。

同様に9%の確率で99.5万円、0.4%の確率で94万円となります。

大幅な元本割れを起こす確率はほぼ0に等しいので

ケース①に比べればかなり安心できるのではないでしょうか。


少し見方を変えましょう。

仮にデフォルト時全額毀損だとします。

細かい計算は割愛しますが

ケース①では0円になるのは1%ですが、

ケース②では0円になるのは0.00000000000000000001%となります。

 

分散をすることでリスクを大幅に軽減できることがわかります。
次回はこの考え方を利用して、元本毀損を回避する確率を求めていきます。